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文理融合型学部

近年、文理融合学部を新設する大学が増加し、その注目度は年々高まっています。なかなか高校時点で将来の夢が決まらず、当然理系・文系がはっきりしていない方がかなり多くなっています。そして少子化の中で、大学側も今までの対応ではだめだと察してできてきたのが、文理融合学部です。

その文理融合学部が注目される理由と、選ぶメリットを見ていきましょう。大学における文理融合の考え方とは、従来の文系・理系という学問的区分にとらわれない教育によって、今後の社会で本当に求められる力を学生に身につけさせようというものです。文理融合型のカリキュラムを展開し、学生が文系・理系を問わず、幅広く知識や教養を身につけられる環境を整備することで、領域や分野を横断した多角的な視点をもって、現代社会の課題を発見し、それを解決する能力や、新たな価値を創出する力を育成することが期待されているのです。

その背景には、社会的要請があります。人工知能に代表される技術革新やグローバル化が急速に進む現代社会では、社会の課題や仕事も多様化しています。よって、幅広く専門性をもち、社会の変容に柔軟に対応できる人材のニーズが高まっているのです。高等教育の専門家からも文理融合の重要性を主張する声が多く挙がっており、そうした傾向は今後、さらに加速すると考えられています。

文理融合学部を選択するメリットとしては、今後の社会で求められる力を育成しやすい環境で、多種多様な科目を選んで学ぶことができ、それによって将来の選択の幅を広げられることが挙げられます。またグローバル化の流れを汲んで英語教育を重視していたり、実際に社会で活躍する実務家を専任教員として配置していたり、実習やフィールドワーク、インターンシップ、海外研修などを情実させたりしていることも多いです。そのため、幅広く知識や教養を身につけると同時に、多様な価値観を受容して協働する力やコミュニケーション能力、課題解決能力などの育成につながる、実践を通した学びを行うことができるのも魅力のひとつといえるでしょう。

次に実績のある文理融合学部を紹介していこうと思います。

①東京大学教養学部

東京大学は、前期課程(1・2年)と後期課程(3・4年)に分かれており、後期課程に上がるとそれぞれ専門分野に進むのですが、そのまま教養学部で学ぶ人もいます。その教養学部後期課程は、学際性・国際性・先進性を理念に据えており、文系三学科、理系四学科、英語コースと幅広い学問分野を専門的に学べます。日本最高峰の環境で、自由に学問がしたい人におすすめです!

②京都大学総合人間学部

京都大学総合人間学部は、人間の豊かさを経済的・科学的視点だけでなく、社会や政治、文化から包括的にとらえ直す必要性に駆られて誕生しました。学系は思想・社会・文化にかかわる人間科学系、情報処理に関わる認知情報学系、国際色豊かな国際文明学系・文化環境学系、それに自然科学系の5種類に分かれています。
学系が違う研究室とも活発に交流があるようなので、専門が違う人たちと積極的に対話してみたい人におすすめの学部です。

③大阪大学人間科学部

大阪大学人間科学部は、実践性・学際性・国際性を理念として掲げて立ち上がった、日本最古の「人間科学部」です。主として心理学・社会学・教育学に力を入れており、行動学科目・社会学科目・教育学科目・共生学科目の4学科と、グローバルコースである英語コースがあります。どちらかというとやや文系よりなので、文系的な学問の社会的実践に興味がある人はぜひ調べてみてください!

④名古屋大学情報文化学部

名古屋大学情報文化学部は、あらゆる学問分野を情報を基軸として捉え直し、独創的な想像力を持つ人材を育成する目的で1994年に設立されました。学科は、やや理系よりの自然情報学科と、やや文系よりの社会システム情報学科に分かれています。クリエイティブな力を育てたい人はぜひ調べて下さい。

⑤九州大学共創学部

九州大学共創学部が掲げる「共創」とは、構想・協働・経験のサイクルを繰り返して課題を能動的に解決していく力のことを指しています。共創学部では、まず1~3年次に「人間・生命」・「人と社会」・「国家・地域」・「地球・環境」の4つの学問領域を学び、課題解決の基礎力を身につけます。そして4年次に、それまでの学習を活かして実際に課題解決に挑みます。
社会に直接役立つ能動的な課題解決能力を学生のうちに養いたい人におすすめです!

⑥国際教養大学

国際教養大学は、日々流れてくる情報に惑わされず、自らの教養と知識に基づいて、多種多様な人々と高めあえる人材を育成する目的で、2004年に設立されました。学生は入学後まず集中的に英語を習得し、基盤科目の学習を経て、「グローバル・ビジネス課程」または「グローバル・スタディーズ課程」に進みます。
高い語学力を基礎として専門課程の学習を行うので、否が応でも英語力が身に付きます。グローバルな人材になりたい人は必見です!

⑦国際基督教大学

国際基督教大学(ICU)は、戦争の経験を踏まえ、日本を世界に開かれた国に変え、人類平和のために貢献する人材を育てるために1953年に設立されました。国際的な社会人の養成を使命としているため、文理の境界のない幅広い学習を経てから、それぞれの専門分野に進むようなカリキュラムになっています。
国際平和に貢献したいと思っている人は、ぜひ選択肢に加えてみてください。

⑧早稲田大学国際教養学部

早稲田大学国際教養学部は、高い語学力と自他の文化への深い教養を持って国際社会の課題を解決する人材を育てるため、2004年に新設された学部です。ほぼ全ての講義が英語で行われ、日本語を母語とする学生は1年間の海外留学が必須となっています。
若いうちに世界に触れて、世界的な問題解決に挑もうとしている野心的な人におすすめです。

⑨早稲田大学人間科学部

早稲田大学人間科学部は、人間とは何かという深淵な問いを複合的な視点から答えるという理念を持って、1987年に誕生しました。環境・健康福祉・情報を現代社会の喫緊の課題として、これらの課題を領域横断的に学べるカリキュラムになっています。3学科構成になっていますが、どの学科の講義もゼミも自由に履修できるので、興味が目移りしやすい人におすすめです。

⑩慶應大学総合政策学部

慶應大学総合政策学部は、政策の教育・研究を専門的に行う学部として日本最古の学部です。現代社会が抱える複雑な課題を、広い視点で捉え、解決に導く「実践知」を重んじ、問題解決のプロフェッショナルを育成するための教育が展開されています。
社会の即戦力になりたいと思う人はぜひ調べてください。

⑪慶應大学環境情報学部

総合政策学部と同じキャンパスに同時に設立された環境情報学部では、アート・デザイン・サイエンス・テクノロジーを横断的に用いた独創的な研究が行われています。総合政策学部とカリキュラムを共有しているため、学生は2学部の講義を自由に履修できます。
文理を問わないクリエイティビティを養いたい人におすすめです。

⑫上智大学国際教養学部

上智大学国際教養学部では、今日の多文化的で複雑な世界を理解するのに必要な柔軟で批判的な思考力・言語・文化的能力を養う教育が展開されています。50以上の国・地域からの学生が集まっているため、日本にいながら留学しているかのような国際的な感覚を味わうことができます。
様々な国・地域の学生と交流して深い教養を養いたい人は要チェックです。

⑬青山学院大学総合文化政策学部

青山学院大学総合文化政策学部は、文化が産業となり、産業が文化となる現代に新たな価値を与える人材を育成するというビジョンのもと、2008年に設立されました。街や外部機関と一緒に人を育てるというコンセプトを持っており、キャンパス外での「ラボ」という授業が行われるのが大きな特色となっています。
アイドルなどの文化産業に関心がある方は必見です!

まだまだ文理融合学部はたくさんあります。自分でもっと調べてみてはいかがでしょうか?楽しくなりますよ!

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