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首都圏の【農学】を学べる大学紹介!実は農業・畜産だけじゃない!食料流通・バイオ・環境を学べる学部も◎

 皆さんは農学部と聞いてどのようなイメージを思い浮かべますか?農業や林業、畜産業といったものを思い浮かべる人が多いかと思います。実際は、農学には、産業の生産から流通・消費に至る仕組みを、地域的かつ国際的に捉える食に関する分野、人と密接な関わりのある生命に関する分野、微生物からバイオテクノロジーにわたる資源に関する分野、地球を取り巻く環境に関する分野、と多岐にわたる分野があります。しかし、これらに共通するものは、人の生に大きく関わっているということです。したがって、農学部は、私たちにとってとても身近であり、人の将来を担う学問と言えます。

 実際に各学科で学べることは、農業経営や農業政策、食料としての生物と環境のつながり、バイオ技術の開発などさまざまです。もしみなさんが学びたい分野が明確に決まっているのであれば、その分野を専門的に学べる大学を選んでみると良いかもしれません。逆に、まだ具体的な将来像がなければ、農学を軸に幅広く学べる大学を選ぶ選択肢もあります。

 今回は、農学を学べる大学のそれぞれの特色や、学科で学べること、進路状況と就職状況を紹介します。柏から通学圏内の農学部は非常に限られてしまうので、今回は千葉・東京・神奈川エリアの大学を紹介します。

国立 東京農工大学

大学の特色≫

 東京農工大学は、首都圏エリアで農学部が所在する数少ない国公立大学です。生物生産学科、応用生物科学科、環境資源科学科、地域生体システム学科、共同獣医学科の5学科が設置されています。国公立大学ということもあり、農学部全体の大学院進学率は57%(平成28年度大学基本調査)と高くなっています。また、教員当たりの民間企業との共同研究実施件数が第2位であるほか、共同研究や受託研究、寄付金などの外部から獲得した資金の比率が第5位(文部科学省)と、実践力の高い研究ができることが魅力の1つです。


≪各学科の紹介≫

生物生産学科

 生物生産学科では、地球温暖化や世界人口の増加、近代的な農業における環境への負荷など、現代農業が抱える課題の解決を目指し、先端技術をもとに、生物の持つ多様な機能を解明し利用することについて学ぶほか、様々な生産現場における農産物の生産から消費までの一連の流れについてなど、幅広く学ぶことができます。

 ◎平成29年度の進学状況と就職状況
  大学院進学:52%、就職:38%、その他:10%
  就職先業種・・・製造業:29%、卸売業・小売業:13%、情報通信:8%、公務員:7%


応用生物化学科

 応用生物科学科では、微生物や動物、植物などの生命機能を、化学や生物学を基盤に学ぶことができます。また、バイオサイエンスの観点から、バイオテクノロジーを食品や医薬、農薬の生産に活用することについて学ぶことができます。

 ◎令和1年度の進学状況と就職状況
  大学院進学:86%、その他:8%、就職:6%
  就職先業種・・・製造業:50%、金融業・保険業:25%、公務員:25%


環境資源科学科

 環境資源科学科では、これからの人類が、地球環境と調和して持続的に生きていくために、世界に共通する深刻な課題である環境問題の解決や、循環型社会の構築に貢献するための「地球の医学」を学ぶことができます。

 ◎平成29年度の進学状況と就職状況
  大学院進学:66%、就職:27%、その他:7%
  就職先業種・・・製造業:35%、公務員:25%、学術研究・専門技術業:15%、情報通信:10%、建設業:10%、運輸業・郵便業:5%


地域生体システム学科

 地域生体システム学科では、生態系の様々な問題を解決するため、野生動物や自然植生、森林などの役割や、自然環境と人間社会の共存を可能にする地球環境の設計について学ぶことができます。

 ◎平成29年度の進学状況と就職状況
  大学院進学:48%、就職;46%、その他6%
  就職先業種・・・公務員:40%、製造業:11%、情報通信:11%、学術研究・専門技術業:9%、建設業:9%、サービス業:9%、卸売業・小売業:6% 他


◆共同獣医学科

 共同獣医学科では、人間の健康や生活環境にも深く関わる動物の健康と福祉の向上、野生動物の保護などを通して、動物の疾病の治療や予防について学ぶことができます。

 ◎平成29年度の進学状況と就職状況

  就職:86%、その他;8%、大学院進学:6%
  就職先業種・・・学術研究・専門技術業:43%、公務員:37%、複合サービス事業:10%、製造業:7%、医療・福祉:3%


≪所在地≫

 府中キャンパス最寄り駅:国分寺駅、府中駅、北府中駅

*参考HP 東京農工大学


国立 千葉大学

 千葉大学園芸学部は、柏から近くであること・農学に近い内容を扱っているため、紹介します。


≪大学の特色≫

 千葉大学の園芸学部も、植物資源の生産・利用に関わる先端的バイオテクノロジーや、環境負荷を低減する資源・エネルギーの効率的な利用など、食と自然を軸に学ぶことができる学部です。園芸学部には、園芸学科、応用生命科学科、緑地環境学科、食料資源経済学科の4学科が設置されています。農学部とは異なる点として、人文社会学にも広く領域を広げています。園芸とランドスケープを専門領域とする日本で唯一の学部であり、栽培やプロジェクトといった実体験を通して、最新の知見を学ぶことができます。


≪各学科の紹介≫

◆園芸学科

 園芸学科では、園芸植物の産生に関わる栽培技術やそれらを支えるバイオテクノロジー、植物を取り巻く生態的、物理的かつ化学的環境の管理や修復技術など、さまざまな専門分野の知識や技術を幅広く学ぶことができます。栽培・育種学プログラムと生物生産環境学プログラムがあり、互いに連携しながら都市園芸産業の実現を目指します。

 ◎平成29年度の進学状況と就職状況
  就職:52%、大学院進学:46%、その他:1%
  製造業:19%、公務員:16%、卸売・小売:14%、教育・学術研究開発:14%、情報通信関連:11%、農林業:8%、その他:8% 他


◆応用生命科学科 

 応用生命科学科では、生命の営みに関わる物質とその動態を探求できる知識、理論、技術の習得を基礎に置きながら、生物や食品の機能解析や代謝生産物、情報伝達分子などに関する基礎・応用研究ができます。このようにして、食料問題や資源問題、環境問題、感染症など、人類が直面している様々な問題の解決を目指します。

 ◎平成29年度の進学状況と就職状況
  大学院進学:66%、就職:29%、その他:6%
  製造業:20%、卸売・小売:20%、情報通信関連:20% 他


◆緑地環境学科

 緑地環境学科では、私たちを取り巻く自然環境や日常生活を営む環境について、特に緑地を対象としてその仕組みの解明や保全などの技術、自然環境の管理技術、環境に関する文化論、心身の健康の向上を目指した緑の利用といった内容を学ぶことができます。環境造園学、緑地科学、環境健康学を主軸として、建築学や都市計画学、土木学などとの連携も目指します。

 ◎平成29年度の進路状況と就職状況
  就職:54%、大学院進学:44%、その他1%
  公務員:29%、建設・造園・環境問題:21%、教育・学術開発研究:13%、金融・保険・不動産:11%、製造業:8%、卸売・小売:8% 他


◆食料資源経済学科

 食料資源経済学科では、資源環境経済学とフードシステム学の2つの専門分野から、自然科学的基礎知識をもとに、園芸に関連した経済学や経営学などの社会科学を学ぶことができます。そして、食と緑に関する園芸経営や安全性の高いフードシステムの設計、食品産業の多様な発展、農村資源の有効活用について学びます。

 ◎平成29年度の進路状況と就職状況
  就職:86%、大学院進学:4%、自家営業:4%、その他:7%
  卸売・小売:48%、金融・保険・不動産:24%、情報関連通信:12%、農林業:8%、運輸関連:4%、教育・学術開発研究:4%


≪所在地≫

 松戸キャンパス最寄り駅:松戸駅

*参考HP:千葉大学


私立 明治大学

≪大学の特色≫

 明治大学農学部は、農学科、農芸化学科、生命科学科、食料環境政策学科の4学科が設置されています。全学科に共通して、1年次に大学付属農場で農場実習を受けることができます。付属農場はキャンパスから近く、実地をもとに理解を深められるほか、年間を通じた持続的な実習が可能となります。また、3,4年次に所属する研究室では、2年間をかけて研究・論文作成をすることができます。


≪各学科の紹介≫

◆農学科

 農学科では、植物の栽培、家畜類の飼養、病害虫の制御、資源の有効利用および地域の環境保全や緑の創生などに関わる基礎科学と最新技術を一体として学び、身につけた幅広い視点から個々を研究することができます。限りある天然資源を大量に消費する生産形態や、人工物の充満した都市環境の問題点を解決して、持続可能な社会を実現することを目指しています。また、3年次より「食糧生産・環境コース」および「総合農学コース」のどちらかに所属して、専門科目を学ぶことができます。

 ◎2020年度の進学状況と就職状況
  就職者数:72.1%、進学者数:24.3%、その他:3.6%
  製造業:21.3%、情報通信業:18.8%、卸売業・小売業:16.3%、公務:11.3%、建設業:6.3%、学術研究・専門技術業:5.0% 他


◆農芸化学科

 農芸化学科では、私たちの生活に関わりの深い食品や環境分野の問題を、バイオテクノロジーと最新科学によって解決することを目指しています。微生物を用いた環境にやさしい技術の開発や、美味しくて健康に良い食品の研究、植物生産や環境の資源である土壌の研究、動植物や微生物が生産する有用物質の検索など、多くの重要な研究テーマがあります。

 ◎2020年度の進学状況と就職状況
  就職者数:68.7%、進学者数:26.0%、その他:5.3%
  情報通信業:36.7%、製造業27.8%、卸売業・小売業:13.3% 他


◆生命科学科 

 生命科学科では、動植物や微生物の生命活動を分子レベルや遺伝子レベルから理解することを基盤として、これらを人類が直面している環境や食料問題などの解決に活用することを目指しています。

 ◎2020年度の進学状況と就職状況
  就職者数:55.9%、進学者数:34.2%、その他:10.0%
  情報通信業:32.3%、製造業:22.6%、卸売業・小売業:12.9%、学術研究・専門技術業:6.5%、公務:6.5% 他


◆食料環境政策学科

 食料環境政策学科では、人が生きていくうえで、最も基礎的で重要な「食料」と「環境」をめぐる諸問題について、経済学、社会学、政策学、経営学、会計学、開発学などの社会科学の側面から総合的に研究することができます。人が生存するための課題を、人間の行動の観点から考え、解決方法を探ることがテーマとなります。

 ◎2020年度の進学状況と就職状況
  就職者数:89.1%、その他:9.0%、進学者数:1.9%
  情報通信業:22.3%、卸売業・小売業:19.4%、製造業:9.4%、金融業・保険業:8.6%、学術研究・専門技術業:6.5%、複合サービス事業:6.5% 他


≪所在地≫

 生田キャンパス最寄り駅:生田駅

*参考HP:明治大学


私立 東京農業大学

≪大学の特色≫

 東京農業大学は、農学科、動物科学科、生物資源開発学科、デザイン農学科の4学科が設置されています。キャンパスは都心に位置する世田谷と、田園地帯の厚木に構えているほか、オホーツクキャンパス、北海道に所在する寒冷地農場、沖縄県に所在する亜熱帯農業といった、日本各地に拠点を有していることが大きな特徴です。このように、フィールド科学を重視しているだけでなく、総合農学の考え方を重視して、幅広い学問の教育・研究を受けることができます。また、教育研究の成果を世界に還元するために、国際化の推進や起業家教育に力を入れているのも特色の1つです。


≪各学科の紹介≫

◆農学科

 農学科では、消費者がより健康で豊かな生活となるような農産物の安定生産のための理論の構築や、それらをもとにした技術を開発することで、農業の発展に貢献することを目指しています。植物生産に特化した学びが特徴で、研究対象は多岐にわたります。また、バイオテクノロジーを駆使した苗づくりや、収穫した農作物の鮮度を保った流通システムの構築など、伝統的でありながら革新的な研究テーマも扱っています。

 ◎令和2年度の進学状況と就職状況
  就職:72.2%、進学9.1%、自営:5.4%、その他:13.3%
  卸売業・小売業:34.2%、農業:14.4%、サービス業:11.2%、製造業食料品:8.0%、協同組合等:7.5%、公務員:6.4% 他


◆動物科学科

 動物科学科では、動物の生命現象や機能の理解とその制御を追求する分野と、動物の行動と生産性を追求する分野を基盤に、これらの特性を活かした応用技術の開発を目指しています。単に動物タンパク質としての食糧生産だけでなく、医学や薬学、理学にもわたる様々な領域と融合した学びに触れることができます*2018年4月、畜産学科より動物科学科に名称変更。

 ◎令和2年度の進学状況と就職状況 (畜産学科のデータです)
  就職:74.4%、進学:8.9%、自営:2.4%、その他:13.9%
  製造業食料品:20.1%、卸売業・小売業:20.1%、農業:15.8%、サービス業:8.6%、協同組合等:7.9%、公務員:5.0% 他


◆生物資源開発学科

 生物資源開発学科では、生物の多様性を軸に、生き物や自然に関する幅広い学びに触れることができます。植物や動物、昆虫、生薬を理解し活用するために、生息する自然環境やその関連する生態系を理解することで、保全や管理に応用を目指すほか、生物資源の探索と持続的な開発・利用を目指しています。*2018年4月開設

 ◎予想される進路
  国家公務員、地方公務員、教員、環境コンサルタント、環境アセスメント など


◆デザイン農学科

 デザイン農学科では、身近に迫る社会問題を、農学的視点で問題解決するほか、新たな価値を創造するために、一人ひとりの生活者にとってより良い暮らしとなるようなデザインを研究します。そして、SDGsの実現に向けた、持続可能な社会をデザインする農学を目指します。*2018年4月開設

 ◎予想される進路
  食品製造業、医薬・化粧品製造業、流通関連事業、協同組合、農園芸関連事業 など


≪所在地≫

 厚木キャンパス最寄り駅:本厚木駅

 *参考HP:東京農業大学



私立 玉川大学

≪大学の特色≫

 玉川大学は、生物農学科、環境農学科、先端食農学科の3学科が設置されています。国際競争力の維持・工場、活力ある地域社会の構築といった日本が抱える課題を、生物・食・環境・健康分野での研究を通して解決を目指します。特に、バイオサイエンスの視点で農学を広く学び、専門領域では自分の研究を深く掘り下げることができる点が特徴です。また、学内農場があり、1年次には一人ずつ畑が振り分けられるため、培った知識や技術を現場で実践することができます。


≪各学科の紹介≫

◆生物農学科

 生物農学科では、植物の栽培や微生物、昆虫の機能解析、動物の生理・生化学などの研究領域と理科教員養成コースを備えているので、化学や生物学の基礎からラボでの実験、フィールドでの実習を通して、バイオサイエンスの視点で農学を広く学ぶとともに、専門は深く掘り下げることができます。このように、生命の本質に迫ることで将来の食物生産への貢献を目指します。


◆環境農学科

 環境農学科では、社会的なSGDsへの意識の高まりから、自然環境・農業・社会を多角的に理解することで、地域を超えたグローバルな視点で問題解決に取り組みます。特に、学内だけでなく箱根や北海道、鹿児島での農場実習や4カ月の海外留学に参加することで、実践的に農業と自然を学ぶことができます。


◆先端食農学科

 先端食農学科では、食品の持つ役割や安全性についての理解を深めることで、既存の農業を超えた食料生産の仕組みや食品の機能性、食品製造にかかわる専門的な知識と、実践的な能力を身につけることができます。また、栄養学やスポーツ栄養学についても学ぶことができるので、スポーツと食の関係詳しく学ぶことができます。


 ◎農学部全体の2021年度の就職状況
  卸売・小売業:28.0%、製造業:25.6%、教育・学習支援業:10.0%、サービス業:9.0% 他
  *各学科での進学状況・就職状況は非公表


≪所在地≫

 玉川大学最寄り駅:玉川学園前駅、青葉台駅
*参考HP:玉川大学


 いかがでしたでしょうか。柏駅から通える範囲だと限られてしまうかもしれません。でも逆にいえば、一人暮らしする前提であれば幅広く探して選ぶことができますね。ぜひ参考にしてください!


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