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経済学部・経営学部・商学部の違いとは?意外と知らない経済系3学部の違い


 こんにちは!CoABLE柏教室です。みなさん、経済学部・経営学部・商学部の違いは何かと聞かれたら、説明できますか?これらの違いについてはなんとなくでしか理解していない人が多いのではないでしょうか。そこで今回は、経済学部・経営学部・商学部の違いについて解説していきたいと思います。ぜひ、学部・志望校選びの参考として役立ててみて下さい!

◆経済学部で学ぶ内容


 経済学部では、経済学を中心とする学問を学びます。この経済学とは、私たちをを取り巻く経済の仕組みや、様々な経済活動の仕組みを研究する学問のことです。「様々な」経済活動とは、例えば、個々の消費者の消費行動や、政府の景気政策、企業の利潤最大化行動や、銀行の最適な貸付け行動などを指します。また、こうした経済活動を行う主体だけでなく、経済活動が行われる場所も考察の対象となります。例えば、外国為替市場の仕組みや、独占市場の構造などが挙げられます。

 これらの考察対象は実に幅広く存在しており、経済学というものは多くの分野に細分化されています。こうした多種多様な経済理論の根底にある経済学の柱が、ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学です。特に、ミクロ経済学とマクロ経済学は、全ての応用経済分野の理論的枠組みの基礎を与えているものなので、大学の経済学部では中心的に学ぶことになります。

 また、経済学部は文系の学部ですが、分析には数式やグラフを使います。微積分や線形代数なども用いますが、ほとんどの内容は高校の文系コースで学んだ数学レベルで対応可能です。文系だが数学も得意という人は、経済学部に向いています。数学に対して苦手意識が強い人は、経済学部は自分には向いていないかもと思いがちですが、経済に関わる問題を数式やグラフを使って考えることで、初めて数学の楽しさを実感することもあります。


経営学部で学ぶ内容


 経営学部で学ぶ経営学とは、「常に変化する内外の環境において組織をいかに効率的に運営するか」を解明する学問です。その対象は今日では広く、企業だけでなく、官庁組織、学校その他一般に組織といわれるものすべてを含むと考えられます。経済学部が社会全体におけるさまざまな経済活動を学ぶのに対して、経営学部では、企業経営や組織を全般的に学びます。様々な事例から「いい企業とは、どんな要素を満たしているのか」「いい組織には、どんな共通点があるのか」について考え、より豊かな生活を目指すことを目的としています。具体的には、経営や組織運営の理論はもちろん、マーケティングや財務、人材マネジメントなどを学び、個々の組織での課題解決力を養います。


◆商学部で学ぶ内容


 商学部では企業経営の中でも、特に商取引を中心に制度や仕組みを学びます。具体的には、企業の会計業務・財務戦略・マーケティング・グローバルビジネスなどを勉強するのが商学部です。簿記の資格取得を必須としている大学もあり、経理や財務の基礎知識など、よりビジネスの現場に近い実践力が身に付きます。専攻によって、金融・証券・流通・貿易のほか、市場調査や広告宣伝などのマーケティングについて学ぶことができます。


経済学部・経営学部・商学部の違い

◆経済学部と経営学部の違い

 経済学部と経営学部の違いは、「社会全体の経済の仕組み」に目を向けるか、「企業や組織の経営」に目を向けているかの違いと言えるでしょう。もちろん併存している分野はありますが、両者を比べると学ぶ内容にこれほど大きな違いがあるのです。また、それぞれに学ぶメリットがあり、経済の仕組みを理論から学ぶ経済学部では、経済ニュースを自分の知識でしっかりと理解し、為替相場や株価の動向などをチェックすることで、世界の経済の動向を予測できたり、自分の投資活動にも役立てることが可能になってきます。一方、経営学部で養った組織解決力は、NPOや自治体などの公益性の高い組織でも発揮でき、さらに独自のビジネスプランをたてて自ら新たな会社を起す、すなわち起業する道も検討することができます。

◆経済学部と経営・商学部の違い

 経営学部と商学部は、企業の経営について学ぶという面では一緒でしたが、経済学部とは根本的な違いがあります。経済学は、商学や経営学のように、帳簿の付け方や労務管理の仕方など実務的な手続きは教えてはくれません。しかし、多くの分野に応用できる物事の見方や考え方を提供してくれるのです。我々の生活とは切り放せない経済活動の理解なくしては、帳簿の付け方を知っていても、企業の設備投資をいつ行うかという決定はできないのです。物理学の基礎知識が無くては、工学部の人たちが力学を応用した機械を作れないことと一緒です。

◆経営学部と商学部の違い

 経営学部と商学部は、よく混同されがちです。企業の経営について学ぶことは経営学部と同じですが、商学部ではより実践的にビジネスを学びます。この二学部の違いは、「企業や組織の経営」について学ぶのか、「企業活動の主体を成す商取引」について学ぶのかの違いであることがわかります。企業経営の中でも、製品やサービスを生み出す活動と流通など、企業と消費者を結びつけるビジネスそのものを研究するということが商学なのです。そのため企業に就職しビジネスパーソンとして働く中で、より実際の業務に直結する実践的な知識が身に付きやすいと言えます。会計士や税理士などの資格試験を目指している人は、同じような志望者が多い商学部を選ぶといいかもしれません



 以上のことから、経済学部、経営学部、商学部ではそれぞれに違った特色があるということがわかったと思います。それらを踏まえて、さらに具体的に説明するために、この三つの学部学科がある「明治大学」を例にとって紹介していきたいと思います。 


(例①)明治大学 政治経済学部 経済学科

 明治大学の政治経済学部経済学科では、多面的な視点で多様な経済事象を分析し、政策立案ができ、かつグローバル化の進展に対応できる教養に溢れ、創造性豊かな人材を育成することを目的としています。現代では地球環境問題や少子高齢化問題など、さまざまな問題が存在しています。こうしたいわゆる「社会の病気」の多くは、日常的な私たちの経済活動の結果生じていると同時に、富の公平な分配や福祉がうまくいかない場合に発生します。つまり、経済を考え、その問題を克服することは、社会的に大きな意味をもつのです。そのため、経済学科では「社会の病気」を解決する方法を真剣に考え、生み出し、実践していく人材育成に力を入れています。経済学科の基本科目としては、「マクロ経済学」「ミクロ経済学」をはじめ、「経済原論」「統計学」「社会学」などを学んでいきます。


(例②) 明治大学 経営学部 経営学科

 今日の急激で大きな経営環境の変化は、企業と社会に多くの変革を迫っています。そのため経営学科では、近未来の変化を機敏に読み解き、適切に対応できる有為の人材を養成することを目的としています。急速な経済のグローバル化に対応する国際経営戦略に関する科目や、働き甲斐や雇用問題といった身近な問題に対応する人的資源のマネジメントに関する科目、知識情報化の進展に対応する情報と技術のマネジメントに関する科目を有機的に配置し、理論・歴史・実証といったさまざまな視点から展開しています。経営学科の基本科目としては、「経営論」「会計学」「公共経営学」「簿記論」などを学びます。


(例③) 明治大学 商学部

 明治大学では商学部で学ぶ内容を「総合的市場科学」と呼んでいます。市場とは単にマーケットをさすのではなく、ビジネス活動のあらゆる局面が集約される場であり、ここから経済活動を詳細に分析し、科学していくということなのです。もう少し平易に説明するとすれば、商学部はビジネスのプロフェッショナルを育てる学部ということが出来ます。商学部で学ぶのは、金融や経済、経営、流通を含めたビジネスの世界をあらゆる角度から総合的に研究することです。また、大学三年次からは、七つの専門的なコースを自由に選択でき、多様な学びが可能です。商学部の基本科目では「マクロ経済学」「ミクロ経済学」「簿記学」「商業総論」「統計学」などを学びます。


 こうして比較するとやはりそれぞれの学部学科に共通する学問があったり、学びの方向性は似ていますが、先に述べた三学問の違いは表れているかと思います。例えば経済学科では、さまざまな環境・社会問題を取り扱い学びます。これは私たちの身の回りの経済の仕組みを学ぶ「経済学」を学ぶ学部だからこそです。また、経営学部では企業や雇用問題についての学びが軸になっていますし、商学部での学びのフィールドは市場です。それぞれの学問の根幹を踏まえつつ、そこから両学部の分野を横断しながら多角的学ぶのが、大学での学びなのです。

経済学部・経営学部・商学部のどこに進むべきかを迷っている人は、どこが一番自分の興味のあるテーマを勉強できるかどうかで絞り込んでいくと良いと思います。多様化する世界において、それぞれの学部が扱う学問の分野は拡大しています。将来進みたい方向性がある程度はっきりしているのであれば、その分野に力を入れている大学を探してみましょう。

また、今回紹介した明治大学のように、同じ大学内にこれらの学部がすべて揃っている大学や、経済学部の中に経済学科と経営学科があるところなど大学によって学部のあり方に違いがあるので、そこも大きなチェックポイントとなります。この記事で述べた三つの学問の根本的な違いを踏まえて学部学科選びを行うと、ある程度絞れて検討しやすいかと思います。ぜひ参考にしてみて下さい。
 
参考
明治大学HP   
タウンワークマガジン「経済学部と経営学部の違いは? 後悔しない学部選びのための基礎知識」  

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