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文理融合学部など、名前からは内容がわからない学部紹介◎

今回は、文理融合型の学部など、学部名では内容が判断できない学部を抜粋して紹介していきます!このような学部は学問領域が絞られておらず、幅広く学べるというメリットがあることが多いです。大学選択の時点で何を学ぶかが決まっていない人には、特にオススメです。大学で学ぶ中で、その学部の中で学びたいように選ぶことができます。それでは、学部名だけでは内容がわからない学部紹介をしていきます!
CoABLE柏教室は、計7名の講師が在籍しており、文系が3名おります。その3名は、今回ご紹介する大学に在籍しています。大学に入るまではやりたいことが明確に決まっておらず、大学に入ってから決めようと思ったそうです。嶋田先生が青山学院大学総合文化政策学部、小林先生が法政大学キャリアデザイン学部、吉田先生が法政大学人間環境学部です。対して、理系の先生は薬学部が3名、建築学科、経営システム工学科と、進学前から自分の学びたいことを明確にしている講師が多いです。やりたいことが決まっていても、決まっていなくても、ぜひご相談ください!
◆早稲田大学 文化構想学部
文化構想学部の特徴として挙げられるのは、二年次から所属する事になる6つの論系にあります。6つの論系とは、多元文化論系、複合文化論系、表象・メディア論系、文芸・ジャーナリズム論系、現代人間論系、社会構築論系です。それぞれの論系によって学習する範囲が異なります。たとえば、多元文化論系と複合文化論系はともに文化という名前がついていますが、前者は地域文化に特化しており、世界中の文化やその土地で使われている言語の学習などが主なのに対して、後者は時間の垣根を超えた、つまり歴史上の文化などにも目を向け文化の複合的な構造を学習することが主になっています。
このように、さまざまな観点から見た文化や社会学の構造などをそれぞれの論系でより深く、専門的に研究する事が目的となっています。また、元をたどればどちらも坪内逍遥が設立した文学科であるということもあり、文学部とのつながりも強いです。同じ戸山キャンパスに属しており、一年次の英語の授業などでは同じクラスであったり、同じ授業の受講が出来たりもします。文学部との違いとしては、文学部はそれぞれの国の文学の研究が主なのに対して、文化構想学部では文学も含めた文化の研究が主になっているという事が挙げられます。
参考HP:早稲田大学
◆早稲田大学 人間科学部
人間科学部は、人間環境学科、健康福祉学科、人間情報学科の三つの学科で構成されています。人間科学部と一言で言っても、これらの三つに分かれる学科によって学ぶことが大きく変わるのが特徴です。学科で別れてはいますが、所属している学科以外の学科の授業も広く履修できるので、学科の垣根を超えた学習ができます。
人間環境学科は、人間を取り巻く様々な環境を自然科学や文化人類学、社会学、心理学など幅広い観点から総合的に学習することが目的となっています。生物・環境系、文科系、社会系、心理・行動系4つの学系で構成されており、それぞれの学系に様々な専門分野の教員が在籍しているのでそれぞれの学系を更に深堀りした学習ができます。健康福祉学科は、主に医療福祉についての学習をします。健康・生命系、保健福祉系、医工人間学系、臨床心理系の4つの学系で構成されています。社会における医療、福祉システムの学習や健康福祉に関する理工学や臨床心理学など、健康福祉分野の中で多様な学習ができ、様々な観点から医療や福祉の知識や能力を身につけることができます。人間情報学科は、人間が生み出す様々な情報がどの様に人と関わり合っているのか、どの様なプロセスで生み出されたのかを研究する学科です。情報科学、認知科学、人間工学、教育工学、コミュニケーション学の5つに学系で構成されており、理工学、人文科学、社会科学など、様々な分野から学ぶことができます。
このように、学科によって学習する分野が大まかに分かれますが、前述した通り、他の学科の授業も履修できるので、文系や理系などの分野の垣根がない「文理融合学部」であることが最大の特徴だと言えます。
参考HP:早稲田大学
◆明治大学 国際日本学部
名前だけで見ると国際系の学習をするのか、日本についての学習をするのか分からなくなりそうな学部名ですが、答えはずばり両方です。国際日本学部では、世界に向けて日本を発信することが大きな目的となっています。そのため、日本文化の学習と英語教育の両方に力を入れているのが最大の特徴です。
専門科目では、漫画文化や刀剣文化論など古今の専門的な日本文化に加え、広告メディアや日本教育の社会システムなど、現代文化から歴史的文化まで幅広く学べます。また、外国の文化の講義も多くあるため、国内外問わず多様な文化を学習できます。更に世界に発信するための英語教育に力入れており、1,2年生の英語集中プログラムというものがあり、2年秋学期には留学の制度も用意されています。他の大学にはあまりない方針を掲げている学部なので、日本について専門的に学びつつ、英語にも力を入れることができる事が大きな特徴と言えます。
参考HP:明治大学
◆青山学院大学 総合文化政策学部
総合文化政策学部は、文化を創造し、マネジメントできる能力を備えた人材の育成を目的としています。総合文化政策の文化とは人文系の知(芸術論や宗教思想)を表し、政策とは社会科学の知(経済、マーケティング、文化政策)を表しています。他の学部と比べてかなり幅広い分野を学べることが大きな特徴です。
総合文化政策学部を語る上で欠かせないのはゼミ、ラボ、英語の三本柱です。総合文化政策学部では、ゼミを理論知、ラボを実践知と称しており、相互的に必要不可欠であるとしています。ゼミでは本や論文等の文献やフィールドワークによって得られた成果を自分なりにまとめ、発表し討議を行うといった授業で、四年次に卒論の執筆を行うのもこのゼミです。ラボは、正式名称を「ラボ・アトリエ実習」といい、総合文化政策学部独自の学習形態となっています。このラボ・アトリエ実習がこの学部の最大の特徴で、実践知の名の通りインターシップ型、プロジェクト型など、他の授業形態と比べてなアクティブな活動がメインです。たとえば、クラウドファンディングによる資金調達から撮影、宣伝活動、上映会まで一連の映像制作を実践するラボや、実際の音楽イベントに参画しながら音楽イベントのあり方を考察するラボ、3Dプリンターやmicrobitを用いて設計からプログラミングまで行うラボなど様々なラボが用意されています。
また、青山という立地の良さを生かした地域のコミュニティ、企業や官公庁など外部組織との連携も多く、より社会と融合した実践教育が行えるのもこの学部ならではです。英語教育も他の青山学院大学の学部同様に、力を入れているポイントです。「発信型リテラシー」の修得を目的としたプレゼンテーション中心の学習で、全員ネイティブの教員によって、より実践的な英語を学ぶことが可能です。総合政策学部では、まず政策マネジメントや文化・思想を学術分野として学んだうえでメディア文化、都市・国際文化、アート・デザインの3つの分野に分かれます。様々な分野の教員が在籍しており、より実践的で、より幅広い分野の文化学を学ぶことができます。
ちなみに、CoABLE柏教室の嶋田先生は、青山学院大学総合政策学部の現役大学生です。大学・学部について、進学までの大学受験生活等、聞きたいことがある場合は、教室までご相談ください!

参考HP:青山学院大学
◆青山学院大学 地球社会共生学部
青山学院大学地球社会共生は、2015年設立された比較的新しい学部です。共に生きる―共生マインドをテーマに、国際問題について世界中の人と一緒に考えるということを目的にしています。政治学、経済経営学、メディア空間情報学、社会学などを学ぶことができ、更に二年次の後半にはアジアを中心とした国々への半期の留学が原則となっているのが最大の特徴です。
留学先での文化の違いや社会問題を体験知として取り入れることに重点を置いており、一年次では留学の準備段階としてAcademic Englishという、週6コマの授業があります。この授業ではネイティブの先生の下で「読む」「書く」「話す」「聞く」といった実践的な英語力を身につけることができます。自分の実力にあったクラスに編成されるので、英語が苦手な方でも安心です。また、アジアを中心に国際問題を考えるという事が一つのテーマでもある学部なので、アジアに関する科目も多く用意されています。
三年生に入ってからはゼミナールに所属し、留学で学んだことを生かしたより専門的な研究をします。社会問題について、日本からの視点だけでなく、アジア、ひいては地球全体からの視点に重点を置いており、英語教育には積極的な青山学院大学の中でも特に英語教育が充実している学部と言えます。
参考HP:青山学院大学
◆法政大学 キャリアデザイン学部
キャリアデザイン学部の指すキャリアとは「専門的な職業」だけでなく、「生き方」そのものを指し、昨今大きな変化を遂げつつある日本社会の中で、「自己のキャリアを自らデザインすることのできる自律的/自立的人材」や、「他者のキャリアのデザインや再デザインに関与しつつ、その支援を幅広く行うことのできる専門的人材」を養成することを目的としています。
キャリアデザイン学部では、個人の学びや発達に視点を置く「発達・教育キャリア」、産業社会のなかでの職業キャリアの展開に視点を置く「ビジネスキャリア」、家族や地域を含めた人生のあらゆる場における人と社会のあり方に視点を置く「ライフキャリア」の三つの領域に分かれています。具体的には発達・教育キャリア領域では、教育心理学や教育政策、メディア教育、生涯学習論などの展開科目が用意されています。教育や学習といった視点からキャリアを学ぶことができるため、教育系の領域と言えます。ビジネスキャリア領域では産業論や広告ビジネス論、戦略経営論など経営や経済系の展開科目が用意されています。ライフキャリア領域では若者文化論や多文化社会論、家族論など、どちらかというと文化や社会学の様な展開科目が用意されており、それぞれの領域によって大きく学ぶことのできる分野が異なるのがキャリアデザインの大きな特徴です。そのため、学びたい事が明確な方はもちろん、あまり学びたい事が決まっていなくても、学部内で学んでいくうちに興味のある分野が見つかりやすいというのがキャリアデザインの特徴です。
また、学部独自の学習形態として少人数制授業でのアクティブラーニングがあります。これは全学年に適用されており、一年次は基礎演習、二年次からはゼミに所属する事で学生自身が主体的にキャリアデザインについて学習する環境が整っています。基礎演習ではゼミに入る前の前段階として、アカデミックなレポートの書き方や、文献やデータの読み取り方などの学習、更に後期には質的調査(観察やインタビュー)や量的調査(アンケートやデータ分析)など、実践的な調査の仕方を学ぶことができます。
ちなみに、CoABLE柏教室の小林先生は、法政大学キャリアデザイン学部の現役大学生です。大学・学部について、進学までの受験生活について等、聞きたいことやご相談があれば、CoABLE柏教室までご連絡ください!

参考HP:法政大学
◆法政大学 人間環境学部
人間環境学部は、「人間と環境の共存」と「人間と人間の共生」が両立した「持続可能な社会」の構築を理念としている学部です。持続可能な社会を最終的な目標としている持続可能な開発目標、所謂SDGsに関する教育にも力を入れています。人間環境学部では、二年次に所属するゼミに合わせて、サスティナブル経営経済コース、ローカルサスティナビリティコース、グローバルサステナビリティコース、人間文化コース、環境サイエンスコースの五つのコースのいずれかに所属する事になり、経済や国際・地域社会や文化、人文・自然科学など様々な視点から持続可能な社会について考えます。
また、一年次には人間環境セミナーという講義の履修が必修となっており、この講義では持続可能な社会に向けて最前線で活動している方々を講師に招待し、どの様な取り組みを行っているのか、どの様な社会がこれから必要かなど、基礎的な人間環境学を学ぶことができるので、SDGsや環境問題についてよく知らない方でも安心して学べます。自然環境や都市づくり、食文化や芸術論などの幅広い観点の中で自分の興味のある分野から社会の将来性について考えることができます。
人間環境学部独自の学習形態として、フィールドスタディ(現地調査)があります。この講義では事前に調査を行い、その中で出てきた疑問を実際に現地に赴き五感で体験した上で、理解を深める事を目的としています。フィールドスタディで赴く場所やその目的は多岐にわたっているので、自分の興味のある講義を実践的に学べることが大きな特徴です。
ちなみに、CoABLE柏教室の吉田先生は、法政大学人間環境学部の現役大学生です。大学・学部について、進学までの受験生活について等、聞きたいことやご相談があれば、CoABLE柏教室までご連絡ください!

参考HP:法政大学
いかがだったでしょうか。
学部名を聞いても内容がわからない学部は、内容が決まっているわけではなく幅広く学べることが特徴です。もしかしたら、上記で紹介したものを読んでも、結局何を学ぶのかよくわからなかった、ということもあったかもしれません。学部内容も大事ですが、自分がその大学で学び、キャンパスライフを送るイメージができるか、大学の雰囲気に合うのかという点も重要です。高1・2生は、夏のオープンキャンパスに行って、実際キャンパスに行って、模擬講義を受けるのがオススメです。高3・既卒生も、日々の受験勉強が煮詰まる頃に、オープンキャンパスに行くのもいいですね。「時間がもったいない!」と思うかもしれませんが、目の前の受験勉強の目的を見直すいい機会になるかもしれません。受験会場への行き方を知っておくことで、受験当日に慌てずに済むかもしれません。
今回の記事を進路選択の一助にしていただけると幸いです。
